開業14年目でやっと分かったことがあります。痛み、違和感、持病を敵視しないこと。
それらがなくなれば終わりじゃないんです。
これまでは自然治癒力を呼び起こすため骨盤や股関節の調節から仕上げは首の調節をやっていました。これは基本だから当たり前のことではあるのですが、人に触れているのだから何らかの感触や返事もあります。
僕は生まれつき耳鳴り持ちですが、お客さんのある部分に触れると耳鳴りが大音量になったり、整体室にたくさん人がいるような感じで、どの世界にもない不思議な言語での会話が聞こえたりすることもありましたが、何故そうなるのかを研究しました。
捻挫、手術、骨折、打撲、先天的疾患、問診していると必ずどれかをみなさん持っています。それも視野に入れて施術するのですが、特に上記のものは強く主張します。こちらは触れているので手を通して伝えてきます。それが先ほど不思議に感じたという現象です。
この感覚のとらえかたは療術家によって違います。僕の場合は先ほどの説明の通りです。
筋肉にも内臓にも全てに意思があり、それらの集合体が自分なのです。
今は持病や古傷に手を当てそれが何をしてほしいのかを手で聞いてその要求通りに施術します。施術後の好転反応もほとんどありません。しかし、要求通りにやっているので指定された部位の元気が呼び起こされると非常に痛いです。生きている、自分がそこにいるということです。
一時期は機械も少し導入して施術していましたが、お客さんから
「先生の手が楽しみで来てるのに…」
とのご指摘を受けたり、
「先生、今してることは違うと思うよ」
と本音を言ってくださったりと僕が行き詰まりそうになる、焦りが出てしまいそうになるとお客さん達がブレーキをかけてくれるので原点の『手』に戻れます。幸せですね。
人間には機械を越える機能や感覚がたくさんあります。機械での施術をやる療術家もいますし否定はしません。でも人間の手には機械は勝てません。
最近は症状を消す施術が多いですね。過剰になってきている感じもします。だって
「消えろ‼️」
って命令してるわけですから…
命令されたらイヤでしょ?それは体も同じです。施術の中で捻挫や古傷、持病のある部位に手を当てていると泣いていたり、寂しがっていたりと悪意は伝わってきません。してほしい要求を聞きながら施術していくと
『もういいよ。眠りたい』
とその部位から返事が返ってきます。
この感覚はとても大切だと思うし、これからもこれを大切にしてお客さんと接していこうと思います。
山伏のお寺&整体院
本山派修験宗聖護院門跡末寺 菩提山 瑞光院の住職 瀬口一幢(せぐちいちどう)と申します。 バランス整体アトリエ椿の院長もやっております。 よろしくお願い致します。
0コメント